7月1日(金)から15日(金)にかけ、福岡市で775年の歴史を誇り、国重要無形民俗文化財に指定されている「博多祇園山笠」が開催されました。
この歴史ある行事に、“静岡市”が関わっているのをご存知でしょうか? 祇園山笠の起源には諸説あると言われていますが、一般に広く知られているのは、仁治2(1241)年に聖一国師が、疫病駆除のために施餓鬼棚に乗って祈祷水を撒いたのが始まりと言われています。聖一国師は言うまでもなく、わたしたち静岡市の栃沢でお生まれになった高僧で、静岡茶の祖と言われている方です。
平成21(2009)年の富士山静岡空港の開港を契機に、静岡と福岡を結ぶ言葉として聖一国師があがり、以後、毎年、地元の有志や市議会をはじめとする関係の輪が広がり、聖一国師の生まれ故郷・栃沢の生家で取水された清水が「勢い水」として、祇園山笠のお祭りに使用されるようになりました。
本年も、7月7日(木)の七夕の日に、聖一国師と縁のある京都・東福寺、福岡・承天寺の関係僧侶の方々が栃沢までお見えになり、「水汲みの儀」が執り行われました。
一週間後の7月14日(木)には、聖一国師生家の米澤様をはじめ、総勢50名ほどの訪問団が、生家で取水した40リットルの水を、聖一国師が開山した福岡・承天寺に奉納。翌朝4時59分にスタートした山笠のクライマックス「追い山」で「勢い水」として、山笠を担ぐ男衆に撒かれました。