「聖一国師堂」をご存知でしょうか?
5月17日、清水区馬走北にある「聖一国師堂」で、鎌倉時代に中国から静岡に茶を伝え「静岡茶の祖」と言われる聖一国師の法要、春の祭典が、聖一国師静岡顕彰会(事務局:静岡鉄道株式会社)の主催により、厳かのうちに執り行われました。
“馬走”というより“狐ヶ崎”と言った方がわかる方が多いかもしれませんね。
南幹線沿いの「イオン清水店」(かつて「狐ヶ崎遊園地」「狐ヶ崎ヤングランド」のあった地です)のすぐ南側に見える朱塗りの美しいお堂です。
聖一国師のお生まれは、藁科川の上流、葵区栃沢です。それがなぜ、この清水の地に国師を祭るお堂があるのでしょう。
このお堂に国師像配置を発意したのは、東急電鉄の創業者で、静岡鉄道の初代会長を務めた五島慶太氏と、当時の静岡鉄道社長 川井健太郎氏とのことです。静岡茶の清水港への輸送に創業の端を発する静岡鉄道こそが国師の顕彰を行うべきとの考えであったようです。
昭和29年(1954年)10月24日、お堂に国師真像が安置され、以来、このお堂は「聖一国師堂」と言われるようになりました。
物語は今もなお生きています。本年(2016年)は、明治39年(1906年)、清水港から直接海外にお茶を輸出して110年の記念の年です。その110年目の本年3月、静岡鉄道は約40年ぶりに新型車両の運行を開始しました。“行こう。虹色の未来へ。”と―
お堂からは、市街地、清水港、そして富士山が一望できます。国師の蒔いた種が、数百年の後、日本を代表する茶どころになっただけでなく、国際貿易港を有する大きな街に・・・ その様子を一望できるこの場所は、一番ふさわしい場所なのかもしれません。祭典に参列中、そんな思いが頭をよぎりました。
「聖一国師」や「聖一国師堂」について、詳しくは静岡鉄道株式会社のウェブサイトをご覧ください。
https://group.shizutetsu.co.jp/column/syouichikokushi/index.html