正式名称は「静岡市茶どころ日本一計画 ~お茶のまち100年構想の実現に向けて~」。平成21年4月1日に施行された「静岡市めざせ茶どころ日本一条例」に基づいて定める計画で、静岡市のお茶に関する伝統、文化、産業等を守り、静岡市を日本一の茶どころとして育て次代に継承していくための施策などを定めます。
「静岡市の茶産業の振興及び市民の豊かで健康的な生活の向上」を図ること、すなわち、「お茶が育む幸せな生活」がこの地に永く続くことを目的とします。
「静岡市総合計画」との整合性を図り、次の3つから構成する計画とします。
[基本構想]・・・概ね 100 年後の目指すべき姿と方向性(将来像と基本方針)
[基本計画]・・・目指すべき姿を実現する基本的な考え方(計画期間:令和2年4月1日~令和13年3月31日)
[実施計画]・・・基本計画に掲げた施策を実現するための具体的な事業(現在第2次前期:令和2年~令和4年度)
魅力あるお茶作りは無論、さらに、お茶を通じた心やすらぐ生活空間があり、笑顔を求めて人々が集まってくるまち、そして、まちの内にも、まちの外とも、人・お茶・情報の交流が絶えることがなく、その交流がまた新たな笑顔を生み出していく — そんなお茶を通した新たな価値が次々と創造される“お茶のまち静岡市”を目指します。
第1次計画では、「地域力が高い真のお茶のまちへ」を目標像とし、これまで100年後の将来像である世界中の誰もがあこがれるお茶のまちづくりに向けた機運醸成・環境整備を行ってきました。
しかしながら、昨今の茶業を巡る厳しい状況の中で、本市が活力ある日本一の茶どころとして持続的に維持・発展し、茶生産農家はもとより茶業関係者が将来に希望をもって持続可能な安定した経営を可能とするためには、収益力が高く、もうかる茶業の実現が欠かせません。
今こそ、収益力が高く、強く攻めの茶業への転換を図り、茶業の成長産業化に向けてあらゆる関係者が大同団結して取り組んでいく必要があります。
◆第2次静岡市茶どころ日本一計画(令和2年3月)
表紙・はじめに・目次
◆第2次静岡市茶どころ日本一計画[改訂版](令和5年3月)
茶業の現状や取り巻く環境変化等を把握した上で、より実効性の高い計画とするため、令和4年度に「第2次静岡市茶どころ日本一計画」の見直しを行いました。
◆第2次静岡市茶どころ日本一計画[実施計画]
令和2年度実施状況報告書
【参考】
第1次静岡市茶どころ日本一計画
表紙と背表紙
始めに・目次
[第1章]序論(P1~17)
[第2章]基本構想(P18~24)
[第3章]基本計画(P25~53)
[第4章]推進体制(P54~56)
資料編・エピローグ
第1次静岡市茶どころ日本一計画
[令和元年度実施状況報告書]
表紙・目次・統括
実施計画対象施策一覧
実績報告書
平成18年5月13日、静岡のお茶が清水港から初めて直接海外に輸出されて100年という大きな節目を迎えて、清水港お茶直輸出100周年記念イベントが開催されました。清水港からのお茶の直輸出は、茶産業の発展のみならず、関連産業の発展や港の整備、静岡・清水の都市基盤の整備など、今日の静岡市の都市としての発展に大きな影響をもたらしました。
その席上、日本一魅力ある“お茶のまち”を目指して、「静岡市お茶のまちづくり宣言」がなされました。その中で、「百年の後も風薫るお茶のまちづくりを目指します」と宣言されたことをきっかけに、「静岡市お茶のまち100年構想」づくりが官民一体で始まりました。
平成20年12月12日、静岡市議会初となる議員提案条例「静岡市めざせ茶どころ日本一条例」が制定され、平成21年4月1日に施行されました。条例には、本市のお茶に関する伝統、文化、産業を守り、静岡市を日本一の茶どころとして育て次代に継承していくための基本理念や、茶業者や市民、行政の役割、さらには施策の推進に関わる基本的な事項が定められています。この条例の制定、施行を受け「静岡市茶どころ日本一計画」の策定作業が本格的に始まりました。
本市では、静岡市めざせ茶どころ日本一条例第9条の規定に基づき、静岡のお茶に親しみ、静岡のお茶の伝統、文化、産業等について理解を深め、その魅力を国内外に発信するため、静岡市「お茶の日」を設けています。
なお、静岡市「お茶の日」は、本市(葵区栃沢)出身で「静岡茶の祖」と言われる聖一国師の生誕の日にちなみ、11月1日とし、一年を通してお茶に親しんで欲しいとの願いが込められています。
今、日本を代表するお茶の産地、お茶の集散地である静岡市をめぐる環境は、農業としての生産現場をはじめ、ライフスタイルの変化に伴う消費の多様化、流通構造の変化、少子・高齢化の進行に伴う人口減少など、大変厳しいものがあり、激しく変化する環境に適確かつ迅速に対応することが求められています。
こうした中で、これからも本市のお茶が産業として栄え、日常の生活や文化の中にお茶が生き続け、誰もが感じる“お茶のまち”であり続けるには、場当たり的な対処療法ではなく、歴史に学びつつ遠い将来を見通したビジョンを描き、それを羅針盤として着実に歩みを進めていくこと、次代へと思いを繋げていくことが必要不可欠です。
時代とともに人々の生活は変化し続けますが、本市における急峻な山々で営まれるお茶づくりは、簡単に形を変えることができるものではありません。だからこそ、100年という長いものさしで状況を俯瞰し、時代という大海原の中で荒波を受けても行き先を見失うことのない、わたしたちの心の目印ともなる羅針盤が必要であると考え、超長期的な「お茶のまち静岡市100年構想」づくりが進められました。