静岡市街地から車で一時間。安倍川の支流、藁科川上流の栃沢で、妥協のないお茶づくりを続ける内野清己さん。「おいしいお茶をつくりたい。」その高みを目指して、大変な労力のかかる自然仕立てでお茶の樹を育てています。「僕の都合と、お茶の都合を合わせる事に大変な葛藤があるんです。」と、その困難さを滲ませます。こうして育った力強い樹から作られる手摘みのお茶は、出来立ての新茶から時間が経つにつれ熟成していく過程が楽しめるのだとか。
そのこだわりはお茶の栽培だけに留まらず、作りたいお茶に合わせた加工機械の改造、メンテナンス、工場の改築などの大工仕事、さらには加工機の製茶設定を管理するためのソフトウェアもご自身で開発するなど、知識と技術と経験を全てお茶づくりに注がれています。
栃沢のお茶をもっと知ってほしいと、1980年代から自宅で始めたお茶席には毎年多くのファンが訪れます。このお茶席でのお茶が、清己さんのお茶の真骨頂。栃沢の湧水でいただくお茶を味わいに、ぜひ一度訪れてみてください。